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紀伊半島一周巡礼&金環日食観察の旅
【1日目】

紀伊半島の海岸線各所を巡礼。金環日食の観察にも成功しました。

2012年5月20日(日) 和歌山県南部:曇時々雨


毎年恒例の一人旅です。

当初は、4月上旬に奈良県の「吉野の千本桜」へ行くつもりでしたが、 翌月下旬に「金環日食」があることを知り、思い切って予定を変更、紀伊半島の海岸線を巡礼することにしました。

ここも近畿地方の空白地帯(行ったことない所)でしたが、 紀伊半島の南端近辺で金環日食の中心線が通っていることが決定打となりました。

この時期は梅雨の走りで南部は雲が広がるリスクがありましたが、 家からはギリギリ金環にならない上、せっかくだから勝負して、キレイな金環日食を拝みに行こうと決心した次第です。

その金環日食は5月21日の朝7時半頃になる為、敢えて宿を取らず、初の「車中泊」に挑みます。

スケジュールにはある程度余裕がありましたが、金環日食が終わるまでは、ハラハラドキドキの旅となりました。


好天を祈り出発、和歌山県白浜町をめざす (加古川市〜白浜町)

天気は晴れ…と言うか、薄曇りのような感じです。
予報では、家辺りは明日までまずまずの天気らしいですが、 これから行く近畿地方南部は、「曇り時々雨」という最悪な状況です。

一週間前から二転三転してましたが、どうも悪い方向になりつつあるようです。
私は気象予報の知識があるので、公開されている資料を見ればある程度分かります。

悪い流れではありますが、明日の朝には雲が切れる可能性も見出していた為、 車にてるてる坊主クンを付け、あとは神頼みで勝負の旅に出ます。

今日の最終目的地への到着を遅らせたくなかった為、 予定より早めの7:38に出発しました。

阪神高速神戸線・湾岸線を経由して、阪和自動車道で南端の南紀田辺ICへ向かいます。
この道、私の学生時代には御坊市までしか繋がっていなかったのですが、もうここまで来たんですね。 白浜までは直ぐに繋がっちゃいそうです。

将来は紀伊半島の海岸線を三重県まで繋げちゃう計画なんでしょうが、 白浜以南はさすがに採算取れないような気がします。

その高速道路のおかげで、白浜町まで3時間余りで行けました。
1回紀ノ川SAで小休憩を挟みましたが、これは楽勝です。

とれとれ市場で昼食 (白浜町)

10:54にとれとれ市場に到着しました。
予定より50分も早いです。

ここで昼食の予定ですが、早過ぎてあまりお腹が空いていません。。。
とは言え、ここを逃すとあまり良い所がないので仕方ありません。

日曜日なだけあって、かなりの混雑ぶりです。
まずは食堂で、海鮮丼とうどんのセットを頂きます。

その後は、白浜土産を物色。
南紀と言えば、「南高梅」「有田みかん」ですね。
私は梅干は苦手ですが、限界まで試食を重ね、蜂蜜入りを購入。

後は、この旅で是非とも手に入れたかった「鯨肉」を物色します。
帰るのは明日の夜なので、生モノはNG。
よって、冷凍のベーコンに氷を詰めて貰いました。

これでも今日いっぱいまででしょう。
遅くても、明日の朝には氷を補充する必要があります。

12:03に出発、白浜町の観光名所が集中する白良浜海岸周辺へと向かいます。

久しぶりの白良浜へ (白浜町)

12:12、円月島の横を通過しました。

円月島の正式名称は「高島」と言い、白浜のシンボルとなっています。
円月島に沈む夕陽は「和歌山県の夕日100選」にも選ばれているそうです。

円月島

そこから直ぐ南には有名な「白良浜」があります。

ここには学生時代、海水浴に訪れたことがあります。
夏真っ盛りの為、浜辺は人で埋め尽くされ、海の中も髪の毛や塵がいっぱい漂っていて、 期待値が大きかった分、ものすごく幻滅した覚えがあります。

今はオフシーズンの為、静かで綺麗な良い浜辺です。
ただ、スカッと晴れていれば、ものすごく映えたと思うのですが…。

白良浜(1)
白良浜(2)

12:14から12:30まで滞在し、更に南へと向かいます。

落書きだらけの景勝地 (白浜町)

12:34、千畳敷に到着しました。
畳を幾重にも重ねたような形状から、そう呼ばれるようになったそうです。

千畳敷(1)
千畳敷(2)

下調べの段階で知っていましたが、ここの落書きは酷いです!
白浜一帯の岩盤は、爪で掻いて削れるほど柔らかく脆いので、 こういうことになっちゃているらしいのですが、実際に見ると唖然とします。

写真は一番酷い所ですが、ここ意外にもいっぱいあります。
ここの落書きは消せないだけに、模倣犯が増える一方です。

何とも悲しい光景です。
これを見て思うことがある方は、絶対に模倣犯にならないで下さいね。

続いて12:47、直ぐ南にある三段壁に到着しました。
高さ50m、断崖絶壁が約2kmも続いています。

三段壁

サスペンスドラマに出てきそうな崖ですが、自殺する人もいるようで、 再考を促す立て看板が設置してありました。

展望台の近くには地下36mの三段壁洞窟があり、下まで降りることができます。(もちろん有料)

13:05、白浜町を後にし、本州最南端「潮岬」へと向かいます。

雨降りしきる本州最南端の地 (串本町)

途中、道の駅椿はなの湯に立ち寄ります。
13:21〜13:28滞在、特に何もありません。ただの気まぐれです。。。

白浜までは曇り空でしたが、すさみ町に入る頃から、時々雨が降るようになってきました。

14:03、トイレ休憩の為、道の駅イノブータンランドすさみに立ち寄ります。
イノブタは見当たらず(奥の農場かな?)、雨の中、14:15に出発。
この時点で、ほぼ予定より15分早く順調ですが、 南に行くほど雨が降っている時間が長くなってきているのが心配です。

14:58、潮岬灯台に到着しました。
当初は数百メートル東にある観光タワーに駐車し、灯台まで歩いていく予定でしたが、 雨が強く降っている為、仕方なく灯台の有料駐車場に入ります。

資料室も併設している為か、灯台自体も入場料が必要でした。
螺旋階段を上ってゆき、更にかなり狭くて急な階段(ハシゴに近い…)を上ると展望台に到着です。

潮岬灯台(1)
潮岬灯台(2)

白亜の灯台、そして岬からの眺望…
天気が良ければ、かなりの絶景だったに違いありません。

続いて観光タワーに向かいます。
こちらの駐車場は無料。 一方、タワーは入場料が必要で、天気が良ければ上るつもりでしたが、 この悪天候では料金に見合わない為、もちろん中止としました。

お土産屋で物色した後、南側に広がる「望楼の芝生」に向かいます。

潮岬観光タワー(1)
潮岬観光タワー(2)

ここも天気が良ければ、かなりの絶景だったに違いありません。
残念ですが、ここに来て降ってた雨が止んだだけでも良しとしなければ…ですかね。

潮岬観光タワー(3)

ふと東の方を見ると、芝生にテントがたくさん設営してありました。
そう、翌朝の金環日食目当ての方々です。

私もここは観察ポイントの候補の1つだったんですが、 少し中心線からずれているのと、できるだけ熊野那智大社に近い所が良かった為に回避しました。
ここは夜も安心して駐車できる所がなさそうだったので、回避して正解だと思いました。

16:00に出発、次は東隣の紀伊大島へ向かいます。

トルコとの友好の証 (串本町)

紀伊大島を横断し、東端の樫野崎手前の駐車場へ16:18に到着しました。
ここは、トルコ記念館以外は無料で回ることができます。

記念館は時間がないのでパスしましたが、東端の樫野崎灯台を目指し、 道中のトルコ軍艦遭難者慰霊碑などを見て回ります。

樫野崎灯台

樫野崎灯台は、日本最初の石造灯台であり、日本最初の回転式閃光灯台でもあり、 その初期の建物がそのまま現存しており、灯台内部へは入れませんが、外部階段(2002年設置)から灯台に登ることができます。

潮岬灯台より低くてずんぐりしてますが、同じ白亜の灯台です。
明治の開国時に、西洋諸国との条約で建設を約束した8灯台の1つで、潮岬灯台もその1つです。

ここに来る頃にはまたポツポツと雨が降り始め、灯台の上は風もけっこう強かったですが、 こちらも天気が良ければ絶景であることが想像できました。

トルコ軍艦慰霊碑

1890年(明治23年)9月16日夜、オスマン帝国(現トルコ共和国)海軍のエルトゥールル号が台風により、 ここの沖で座礁沈没、587名が亡くなるという大惨事が起きました。
その際、大島の住民が献身的に生存者たちの救護に努めたことなどから、 現在の日本とトルコの友好関係が始まったと言われています。

この話は元々サッカー絡みで知っていましたが、この旅を計画するまでは、 それがここ樫野崎であることは知りませんでした。
私自身、昔サッカーゲームでトルコのチームや選手を好んで使っていたこともあり、 これが紀伊大島へ寄るきっかけにもなった訳です。

樫野崎駐車場

これは、駐車場入口にある喫茶店の写真です。
大きなテルテル坊主が吊るされています。
灯台への道中にある店にも、普通のテルテル坊主が、数十体ズラズラっと吊るされておりました。

みんなの願いはただ一つ。「あ〜した、てんきにな〜れ。」

16:55、樫野崎を後にし、捕鯨の町太子町へと向かいます。

静かな鯨の港町 (太地町)

17:45、太子町の街中を通過します。

あわよくば買い物を…と思いましたが、お土産屋も閉まっているのか、人の気配がありません。
潮岬もそうでしたが、この辺りは、16時過ぎには店が閉まり始めるみたいなので、既に遅かったのかもしれません。

太子町は捕鯨やイルカ漁で有名で、これを認めない外国人が嫌がらせをすることもあるらしいですが、 全くそんな気配のない、ごく一般的な漁師町という印象です。

しかし、これを想定して、白浜で鯨肉を購入しておいたのは、やはり正解でした。
町を周回して、本日の最終目的地、那智勝浦町へ向かいます。

道の駅が満車に!? (那智勝浦町)

18:04、那智勝浦町の「道の駅なち」に到着しました。
ここが本日の車中泊ポイントとなります。

ここの道の駅は、JR那智駅と一体になっていて、銭湯(丹敷の湯)が併設されています。
更に、ほぼ中心線上に当たり、翌朝行く予定の熊野那智大社への道の起点にも位置していることから、 私にとっては絶好の車中泊ポイントだった訳です。

ただ、こんな良いポイントは他の人も当然チェックしている訳で、 既に駐車場は8割方が埋まっていました。

それでも、給油と夕食・朝食などの買出しをしなければならなかったので、 一抹の不安を感じながらも、一度道の駅を離れることにしました。

全ての用事を済ませて帰ってくると、もうほとんど空きがありません!
ただ「銭湯専用」と書かれたスペースが、避けられていたのか数台空いていた為、 何とかそこに滑り込むことに成功しました。

やはり、到着を遅らせないようにして正解でした。
夕食をとり、明日の準備をしている間に、駐車場は満車となりました。

銭湯で疲れを癒し、いざ就寝。。。
といきたかったですが、なかなか眠れません。

しかも、到着時から降っていた雨が強くなり、車のルーフを叩く音が大きく、 また、かなり冷えてもきた為、けっこう過酷な状態に…。

ここまで冷えるのは想定外で、小さいブランケットやタオルくらいしかなかったですが、 予備の服を重ね着することで、何とか耐え忍ぶことができました。

明日は一体どうなってしまうのでしょうか?
そして、この強い雨は果たして止むことはあるのでしょうか?
金環日食観察は空振りに終わるのでしょうか?

不安は大きくなるばかりです。

「紀伊半島一周巡礼&金環日食観察の旅」【1日目】は、以上となります。
この続きは、【2日目】をご覧下さい。

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