暗黒天体 Dark star
宇宙の彼方にある暗い星 Dark star of faraway space
褐色矮星 Brown dwarf 画像:カメレオン座のOTS44と周囲の原始惑星状円盤(想像図) |
半径 | 200,000〜300,000km | 元恒星の重量 | 0.2〜1.5×1029kg以下 |
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密度 | 1.3〜1.4g/cm3 | 温度 | 800〜2,500℃ |
主要構成物質 | H2、He、Li等 | ||
光度 | 極低い | 主要放射線 | 赤外線等 |
軽水素(1H)の核融合を起こすには質量が小さ過ぎる為に、主系列星になることができない星。 分類上は恒星にも惑星にも入らず、およそ木星質量の13〜75倍程度の星が褐色矮星となる。 軽水素の核融合が始まる為には、最低でも太陽の8%以上の質量が必要である。(中心核の温度:300万℃超) 但し、重水素(2H)が軽水素よりも低温(必要な質量は、太陽の1%程度、又は木星の13倍程度) で核融合を起こすことができる為、褐色矮星ではこの核融合が起こる。 しかし、重水素の存在比率は低い為、核融合反応は持続せずに停止し、そのまま冷却していくことになる。 恒星が星雲から誕生する際には大質量星よりも小質量星の方がはるかに多く誕生する。 よって、それよりも更に質量が小さい褐色矮星の数は非常に多いと考えられている。 その為、褐色矮星の全質量は銀河や宇宙の質量や重力を考える上で無視できないものとなり、暗黒物質の正体の候補の1つに挙げられている。 |
白色矮星 White dwarf 画像:想像図 |
半径 | 約7,500km以下 | 元恒星の重量 | 2.8×1030kg以下 |
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密度 | 1.0×106g/cm3 | 温度 | 20,000℃ |
重力 | 数十万G | 主要放射線 | 電波〜X線 |
主要構成物質 | He、C、O2、Ne、Mg等 | 光度 | 低い |
太陽とさほど大きさの変わらない恒星は、燃え尽きると赤色巨星となって膨らんだ後、
最後の時を迎えるとある程度のガスを吐き出ながら収縮を始め、
そして電子の反発によって収縮が止まり、白色矮星となる。 高密度、高圧力の為に光や熱を発しているものの、核融合を起こすことはできない。 しばらくの間は、収縮のため高温で白く暗く光るが、次第に冷えていくにつれて、 赤色矮星、褐色矮星へと変化し、ついには黒色矮星となり暗く見えなくなってしまう。 |
《白色矮星の種類》
ヘリウム型 | 太陽質量の0.46倍までの恒星は、温度が低い為ヘリウムには点火せず、 赤色巨星になった後にヘリウム型の白色矮星になる(赤色矮星の場合、赤色巨星にはならないとされている)。 |
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標準型 | 太陽質量の0.46〜4倍までの恒星は、ヘリウムに点火し炭素、酸素、窒素が作られるが、 それ以上反応は進まず、赤色巨星になった後に、白色矮星となる。 |
中性子星 Neutron star 画像:想像図 |
半径 | 約10km | 元恒星の重量 | 0.16〜6.0×1032kg |
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密度 | 1.41×1014g/cm3 | 温度 | 高い |
重力 | 2.0×1011G | 主要放射線 | X〜γ線 |
主要構成物質 | Fe、O2、N2、C等(中性子) | 光度 | 極低い |
恒星は、燃え尽きると赤色巨星となって膨らんだ後、
最後には収縮するが、中心部の電子の反発でも収縮を止めることができず、
原子の核力(原子間にはたらくカギのような役割をする力)によってようやく収縮が止まるものがある。 この時星は大爆発を起こし、1つの星が太陽の数十億倍もの明るさで輝く。(超新星) 一方、中心部に残された星は中性子だけで構成されている為中性子星と呼ばれている。 太陽の8倍以上の質量を持つ恒星は重力が強い為、炭素同士の核融合でも星は崩壊せず、鉄ぐらいまでの元素が作られる。 しかし、鉄の芯が大きくなると、重力崩壊による超新星爆発の後爆縮された芯が残り、その芯は中性子星になるか、またはブラックホールになる。 中性子星かブラックホールになるかの違いは、残った芯の質量が太陽の2〜3倍程度なら中性子星、それ以上ならばブラックホールになる。 |
ブラックホール Black hole 画像:想像図 |
半径 | 2GM/c2km | 元恒星の重量 | 6.0×1032kg以上 |
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密度 | ∞ | 温度 | 高い |
重力 | ∞ | 主要放射線 | X〜γ線 |
主要構成物質 | Fe等(素粒子) | 光度 | なし |
星は最後を迎えると自分自身の重さのため収縮していくが、
電子の反発でも、原子の核力でも収縮を止められなかった場合、何も残ることはない。(超高密度空間) 中心部の重力は極めて強力な為、一度捉えられると物質はおろか光すら抜け出すことができなくなる。 ブラックホールはそれ自体は不可視だが、ブラックホールが物質を吸い込む際に降着円盤を形成するので、 そこから放出するX線やγ線、宇宙ジェット等によって観測が可能である。 |
《ブラックホールの種類》
恒星ブラックホール | 太陽の5〜100倍程度の質量を持つ暗黒天体。 |
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中質量ブラックホール | 太陽の500〜数1000倍程度の質量を持つ巨星の残骸。 |
大質量ブラックホール | 太陽の100万倍以上の質量を持つ。銀河の中心にある。 |