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四国横断秘境巡り決死行
【1日目】

5年半前の忘れ物を取りに、四国山地の秘境を巡りました。

2016年10月19日(水) 徳島県西部(三好市):曇


ようやく、5年半前の悔いを晴らす時がやって参りました。

5年半前の【四国一周旅行】ではいくつかの「悔い」を残してしまいましたが、 その中でも一番の悔いである「四万十川源流点」を訪れることを最優先に、前回行けなかった四国山地の秘境を巡る旅を企画しました。

この旅で全ての悔いを晴らせるわけではありませんが、これで納得できるラインに達することができると考えます。

幸い閑散期でギリギリまでホテルの予約を取らずに粘れた為、気象予報の知識や公表されている各種予報図をフル活用し、 想定していた1ヶ月間の内、一番最初の週で行くことを決断しました。

あと3回チャンスがあるのに初っ端で行くのはかなり勇気がいりましたが、これが英断であったかどうかは、後に結果が出ることでしょう。


お約束の淡路SAへ (加古川市〜淡路市)

6:58に出発。
前回と同様に、淡路島経由で四国に入ります。

ここら辺の天気は良いですが、目指す四国山地は曇り空と思われます。
晴れてくれるに越したことはないのですが、秘境は曇ならそれなりの雰囲気が出ますし、とりあえず雨さえ降らなければOKです。

神戸淡路鳴門自動車道に入り、明石海峡大橋を渡ってすぐの淡路SAに立ち寄ります。
最早、この道を通る際に立ち寄るのが恒例となってしまいました。。。

休憩の必要は全くないのですが、お約束通りここからの眺望をカメラに収めます。

淡路SAから臨む大阪湾

また明石海峡大橋じゃつまらないので、今回は東側から大阪湾を撮った写真をチョイス。

丁度雲に朝日が隠れて、神々しく数多の光の筋が差し込んでいます。
神様が祝福してくれている様で、今回の旅はかなり上手く行きそうな気がします。

10分滞在し、7:52に淡路SAを出発しました。

一気に標高1410mを上る (美馬市〜つるぎ町〜三好市)

今回は鳴門海峡や徳島市に寄ることなく、鳴門JCTを経由して徳島道へ入ります。

本来は、徳島市の南側から国道438号線を西進して第1目的地の剣山見ノ越へ向かうつもりだったのですが、 道路事情が大変悪く、時間制限付きの通行止め等がいくつもあってリスクが大変高いことから、 やむなくこのルートを断念、北側のつるぎ町から向かうルートを選択しました。

こちらも時間通行止めが2か所ありますが、上手くスケジュールに合わせることが可能です。

途中、上板SAで20分程の休憩を挿み、9:51に美馬ICを下りて国道438号線へ入ります。
いよいよ山道に入っていくので、街中のコンビニで飲み物やお菓子等の買い出しをしておきます。

まずは、美馬ICから7.7q地点にある1つ目の時間通行止めを、10:20〜10:40の間に通過しなければなりません。

10:20に現場に到着。
片側相互通行になっており、難なく通過。

次は、32q先を11:50過ぎに通過できる訳ですが、1時間半も時間があり、かなりゆっくり行く必要があります。
まあ、途中で停車しつつ、景色や空気を楽しみながら進むことにしましょう。

最初は2車線だったものの、山を上るにつれて1車線区間が多くなり、自然とスピードも出せなくなります。
急いでいる人には悪いので、後ろに付かれたら停車して、先を譲ってあげました。

国道438号線の標高1200m看板

いよいよ、標高1200m越え!
私、日本でここまで高地に来たことはまだなかったかもしれません。。。

約15分前に2つ目の時間通行止めポイントに差し掛かりましたが、、、

なんと!!

工事している気配がありません!
看板だけが立っており、そこには「解除中」との貼り紙が。。。

道理で対向車が来ていたわけです。納得。

見ノ越第一駐車場

11:54、剣山の登山口である見ノ越に到着。
平日にもかかわらず、けっこう車が止まっています。

剣山は途中までリフトがあり、登るには比較的やさしい部類であるということらしいので、 やっぱり人気があるのでしょう。

丁度お昼で、ここしかまともな店がなさそうなので、駐車場横の「霧の峰」という民宿で昼食を摂ります。

祖谷そば

選んだのはもちろん、ご当地グルメ「祖谷(いや)そば」です。
つなぎなしのそばなので、ぼそぼその食感です。
何となく、伊勢神宮で食べた伊勢うどんを思い出しました。

時間に余裕があったので、正面の劔神社でお参りし、近辺を散策します。

見ノ越からの遠景

もう一つの立体駐車場からの遠景です。
所々、色付いてきている木々も見受けられます。
単純計算で平地より8〜10℃は低いので、当然と言えば当然でしょうか。

他に見所もないので、予定より20分早い12:40に見ノ越を出発。
次は、本日のメインスポット「奥祖谷二重かずら橋」へ向かいます。

再びのかずら橋を堪能 (三好市)

見ノ越は三叉路になっており、今度は国道439号線を西進します。

この国道439号線は、四国一の酷な国道「酷道」として有名で、日本三大酷道に数えられる程とのこと。
特にこの徳島県三好市祖谷地区を通る区間が酷で、そのほとんどが1車線道路となります。

ただし、「そんなん街中にもいっぱいあるやん」と思うのは大間違い!
酷道の1車線道路は、片側は岩壁、もう片側は断崖になっている坂道というのがザラで、酷い場合はガードレールすらない区間もあるのです。

もちろん、所々に離合場所(すれ違える広さがある場所)が設けてありますが、 そうじゃない所で、正面からトラックやバスが来たとしたらどうでしょうか?

私の場合、これまで通ってきた国道438号線もそうでしたし、これまでもそれなりに酷道を経験してきたので、 自車の車幅や離合場所を把握しておくことや、いち早く対向車に気付くなどのテクニックは持ち合わせているつもりです。

なので、ほとんど不安はありませんでしたが、やっぱりトラックとバスだけには出会わないことを祈っていました。

話が脱線してしまいましたが、そんな国道439号線を走ること17分後の12:57、奥祖谷二重かずら橋に到着しました。

奥祖谷二重かずら橋入口

茶色の小屋で入場料550円を支払い、階段を下りていきます。
坂を下りると、意外とすぐに1つ目の「男橋」が見えてきました。

坂の上から見た男橋

早速、スマホ片手に渡り始めるとしましょう!
前回行ったかずら橋では、ビビッて撮影ができなかったのも悔いが残っていたので、これで晴らすことができます。

しかも、前回のかずら橋は1回渡るのみで500円でしたが、そことは違い、ここは何度でも渡りたい放題です!
何ともお得ですが、何しろ冬季は閉鎖されるし、ここまで来るのが大変な訳で。。。

男橋から女橋を望む

ちょっとわかり辛いですが、写真の中央付近に、もう一つの女橋が写っています。

男橋の南詰から

撮影しながらでも、意外とあっさり渡れてしまいました。
う〜ん、前回のかずら橋の方がスリルがあった様な…

前回の写真と比べてみると、前回の方が幅が広く、橋桁の角材も歪な形状で、どうやら気のせいではなかった様です。

女橋

次は、女橋です。
こちらは長さも短く、高さもないので更に楽勝です。

女橋の橋桁から下を覗く

女橋の更に先には、キャンプ場と「野猿」という手動ロープウェーがあります。

野猿

こんな経験ないので、訪れた際は絶対に乗りましょう!
対岸に着く前が一番しんどいので、引き手の方は頑張って下さいね。

ここは、川にも下りることができるので、1時間くらいかけても十分に堪能できます。
私は、男橋の下にある滝壺で、翌日の水中撮影のテストを行いました。

しかし、水面でズームが勝手に動く問題が発生!
今夜、ホテルのバスタブを使って解決策を探ることにします。

撮影もしていたせいか、駐車場に戻ってきたら1時間半も経っていました。

▼ 【四国秘境巡り】#1 奥祖谷二重かずら橋と野猿を渡る - YouTube

正面には売店・食堂もありましたが、見ノ越のお土産がショボかったこともあり、ここにも期待できなそうだったので入りませんでした。

予定通りの14:25に出発。更に西へ向かいます。

かかしでいっぱいの名頃集落 (三好市)

10分後の14:35、ある集落に差し掛かると、意外と人の姿が…

名頃集落中心部

よく見ると、『かかし』です。

特に橋の周辺には、かかしの売店・バス停など、何十体ものかかしが置かれています。

かかしバス停

これら全てのかかしに名前があり、基本台帳まであるとのこと。
先日、我が地元の近くにある奥播磨かかしの里(夏旅2016)にも行きましたが、そこのかかしともまた違う味わいがあります。

ただ、奥播磨と違って、こちらの名頃には生身の村人が見当たりません。
人はいたのだが、どう見ても私と同じ観光客。。。

何だか、色々考えさせられる場所でした。

15分ほど滞在し、14:50に出発しました。

天空の里 落合集落を望む (三好市)

名頃かかしの里を出発して15分後の久保集落にて、本日3つ目の時間通行止め地点があります。

ここを15:10〜15:20の間に通過する算段だったのですが、またまた工事をしている気配がありません。
まあ、知らずに来て1時間も止められる、となったら堪ったもんじゃありませんので別にいいのですが、 けっこう秘境地帯の工事ってアバウトなのでしょうか?

工事の進捗状況によるところもあるでしょうし、最悪の場合を告知するのは当然なのでわかるのですが、 どうもこう簡単に通れてしまうと、逆に信頼性を疑ってしまうところはあります。

あと今日はもう1ヶ所、明日もう1ヶ所ありますが、そこも心配いらないかもしれません。

次が彼の有名な「落合集落」なのですが、今回は反対側の山にある展望台へ向かい全景を眺めようと思います。

途中国道から展望台へ行く道に入ると、そこはもっと狭い酷道で、林の中は暗くてライトを点けないといけないくらいです。 (こういう道では、昼間でもライトを点けていた方が、対向車が気付きやすいので推奨されています。)

10分ほど林道を上ると視界が開け、15:21に展望台へ到着です。

落合集落全景

落合集落は、国の重要伝統的建造物群保存地区で、民宿などもあって外国人にも人気だそうです。
この時も、展望台には中国人?のグループが来ていました。

天気が良ければ、南斜面なので緑が映えて綺麗だと思いますが、靄っているのも秘境感が出てていいですね。

▼ 【四国秘境巡り】#2 天空の郷〜名頃かかしの里と落合集落 - YouTube

祖谷地方は、平家の落人伝説や開拓伝承などが残っていて歴史好きにも受けそうですし、 懐かしい山村の原風景や手付かずの自然を求める秘境好きにも堪らなく良い所だと思います。

ほぼ国道439号線一本でバックアップラインがありませんが、ぜひ整備し過ぎないで欲しいと願わずにはいられません。

ちなみに、写真は展望台(左下の茶色い屋根)の上にある林道から撮っています。(こっちの方がアングルが良い…)

15:38、展望台を後にし、本日最後の絶景スポットへと向かいます。

断崖絶壁に立つ勇敢な小僧 (三好市)

落合集落を抜けてからは、2車線区間やバイパストンネルができていました。
なるほど、落合集落までは整備が進んでいると言う訳ですな。

トンネルを抜けた所の丁字路で、国道439号線と別れて県道32号線に入ります。
こちらの県道を進むと、前回行ったかずら橋や大歩危峡の方へ出ることができます。

逆にそのまま国道を進むと、439号線最凶と言われる京柱峠へ向かいます。
次の目的地を無視すれば、そちらから高知へ出るルートを採っていたのですが残念です。。。

さて県道32号線ですが、こちらはやはり整備されており、道は広めでスピードが乗ります。
落合集落までは平均時速30q程度で、この区間は時速40q想定でしたが、このままでは早く着いてしまいそうです。

普通なら別に問題ないのですが、ここで本日最後の時間通行止め地点が絡んでくるのです。
それは目的地の直前にあり、16:25以降に通行可になるとの情報でしたが、、、

やっぱり工事はやっておらず、看板には「解除中」の貼り紙が…

と言う訳で、予定より9分早い16:24に祖谷渓の小便小僧に到着です。

祖谷渓の小便小僧(1)

着いた時には誰もいませんでしたが、私の後にすぐ次客がやってきました。
その方は、私が車内で準備している間にサクッと撮影を終わらせて去っていきました。

よかった…これで落ち着いて撮影ができます。
もう日没が近いので、次客がすぐ来ることはたぶんないでしょう。

祖谷渓の小便小僧(3)
祖谷渓の小便小僧(2)

しかし、とんでもない所に立っています。。。

かつて地元の子供達や旅人が度胸試しをしたという逸話をもとに作られたという小便小僧。

「お前は、なんて勇敢なんだ!」

私は高所恐怖症ではありませんが、さすがに柵を乗り越えて、命綱なしで横に立つ度胸はありませんでした。

曇っていたので暗くならないか心配でしたが、結果間に合って良かったです。
特にここは、晴れているより靄っている方が雰囲気が出てイイ!

▼ 【四国秘境巡り】#3 祖谷峡の小便小僧からの絶景 - YouTube

雨も一切降ることなく、1日目は、ほぼ最高のコンディションだったと思います。
明日は晴れ予報ですし、今週決行して大正解だったと、この時点で確信しました。

さあ、後は夕食を頂いて、ホテルのある高知市中心街を目指すのみ!

予定通りの16:45に小便小僧を後にし、前回通ったのと同じルートを踏襲していきます。

南国SAで鰹のタタキ丼を頂く (南国市)

小便小僧でUターンし、県道45号線へ入ります。
その後、大歩危で国道32号線に入り南下、大豊ICで高知道に入ります。

今回は夕食を摂るのと、徳島で買えなかったお土産をまとめ買いする為に、途中の南国SAに入りました。

夕食は当然、ご当地グルメ「鰹のタタキ」です。

これも前回の旅で食べられなかった悔いの一つですが、残念ながら今回も「藁炙りのホンモノ」を食べられる店に行く時間がなく、 SAで頂くことになってしまいました。

鰹のタタキ丼

選んだのは「鰹のタタキ丼」。

味はやっぱり、、、
うん…やっぱり「ホンモノ」じゃないね。

前回の旅の後に、近所の知り合いに「藁炙りのホンモノ」を頂いたことがあり、 その味と香りに「やっぱり違う!」と感動したことがあったので、 今回は「ホンモノ」にありつけなくても、そんなに悔いにはなりませんでした。

売店でお土産を買いこみ、予定より20分遅れの19:05、南国SAを出発しました。

ホテルで水中撮影のテストを繰り返す (高知市)

高知ICで下り、前回は桂浜へ向かいましたが、今回は中心街にあるホテルへ直行します。

途中、コンビニで明日の朝食などを買い出しし、Googleのナビに従いホテルへ向かいます。

そう、今回の旅では、初めてスマートフォンのナビゲーションアプリを使用しました。
これまでは、地図を見ながら道に迷うのもまた楽しみに旅をしていたのですが、 土地勘のない街中を走る時は、やっぱりナビが便利で安全です。

この日の為に、車内充電器を購入し、ハンドルの前にスマホを立て掛ける場所を作りました。
コンデジ(デジカメ)も使うことなく、電池の心配も一切なく、スマホ一本で快適に旅をすることができるようになりました。

いやはや、凄い時代になったものです。

19:46に本日の宿、コミュニティスクエア(高知共済会館)に到着。

街に繰り出す時間がありそうに見えますが、明日朝が早いのでちょっと無理はできません。
高知の街は前回歩き回っているので、行かなくても別にいいでしょう。

それに、今日かずら橋で失敗した「水中撮影」を明日成功させる為に、改良する必要があります。

透明カバーとスマホの画面がくっ付いて、上下する水面でズームが反応していた様なので、 画面側に何枚も絶縁体となる紙を重ねて入れて、カバーにくっ付かない様にしてみました。

ホテルのバスタブで何度もテストを繰り返した結果、どうも縦画面で撮影すると若干反応するが、横画面だとほぼ大丈夫であることが判明しました。
ちゃんと口を締めれば浸水はないと思うので、明日はこれでチャレンジしたいと思います。

気付いたら、もう12時前になっていました。。。

明日は、6時起床の7時前出発予定です。

明日は、いよいよの四万十川源流点へのリベンジと仁淀ブルーの撮影に挑みます。

天気予報は、晴れ時々曇り。
朝の内は雲が多めかもしれませんが、昼までに晴れてくれれば全く問題ないでしょう!

「四国横断秘境巡り決死行」【1日目】は、以上となります。
この続きは、【2日目】をご覧下さい。

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