2011年4月15日(金) 高知県西部: 愛媛県南予・中予:
「四国一周旅行」の【2日目】です。
初めからご覧になりたい方は【1日目】へ。
ホテルを出発、四万十川を目指す (高知市〜津野町)
6時半頃に起床。
身支度を整え、朝食を摂りにホテルの食堂へ向かいます。
悠々とバイキングで腹ごしらえし、予定より20分遅れの8:20に出発しました。
この時は、「前日に桂浜に行けたし、余裕あるだろう。」と高を括っていましたが、 これがこの旅「3大後悔」の内の最大の1つを生み出すことになるのです。
快晴の昨日とは打って変わって、一面の曇り空です。
これから行く四万十地方は、南東斜面でただでさえ雨が降りやすい地域である為、不安が募ります。
駐車場を出た後、高知城の前を通り、国道33号線を西進、伊野ICから高知自動車道へ入ります。
が、その前に、IC直前のガソリンスタンドで満タンに給油しておきます。
須崎東ICで下り、街中を抜けて西へ登る県道を進んで、国道197号線へ入ります。
実は今、高速道路無料化実験の期間中で、なんと、本日利用する高速道路は全区間「無料」です。
これは大きいです!有料なら数千円はとられますから!
余談ですが、今日通過する高知市や須崎市、四万十市などは、大津波が来たらひとたまりもありません。
ちょうど先月、あの未曾有の東日本大震災が起こり、衝撃的な大津波の映像を目の当たりにして間もなかった為、
どうしてもそのことを考えずにはいられませんでした。
それとは無縁な山の中へ、車は進んでいきます。
だいぶ標高が上がって、9:38、道の駅布施ヶ坂へ到着。
小休憩を取るのと同時に、今後のスケジュールを練り直します。
時間がありそうなので、予定にはなかった四万十源流登山口へ行ってみることにしました。
今回の目的は、四万十川の走破。できれば、源流域へも行きたいところです。
9:53に出発、四万十源流登山口へ向かいます。
四万十川源流点への登山口 (津野町)
集落の中を抜け、1車線道路をひたすら登って行きます。
要所要所に標識があり、道に迷う心配はなさそうです。
でも、所々、崖が崩れて岩の欠片が落ちていました。
対向車が来る気配が全くなかったのは幸いでしたが、逆に何かあった時が怖いです。
約30分かけて、10:18、四万十源流登山口に到着です。
そこには、車1〜2台分のスペースがあり、四万十源流の碑と記念記帳箱なるものが立っていました。
記帳箱を開くと、中には1冊のノートがありました。
私の前は2日前に書かれたもので、だいたい2日に1組の割合で訪問者がいることが分かります。
当然私も、その下に一筆添えさせて頂きました。
記帳箱の下を見ると、「源流点まで約25分」と書かれています。
往復で約50分という訳ですが、ここまで来たのも予定外なのに、更に時間を使う余裕はなく、
しかも雨が降り出す気配もあり、泣く泣く登山は断念することに。。。
これが、この旅「最大の後悔」となってしまった訳です。
7時半にホテルを出ていれば行けていただけに悔やまれます。
まあ、計画段階で四万十源流点を外していたのが、そもそもの間違いだった訳ですが…。
せめてと思い、そばを流れる渓流を写真に収めます。
将来、再び訪れて、今度は必ず源流点まで登ることを固く誓って。
10:33、四万十源流登山口を後にし、正規ルートへ戻ります。
最上流にある高樋沈下橋 (中土佐町)
11:12、高樋沈下橋に到着しました。
ここは、四万十川最上流の沈下橋として有名で、
「この川を汚す者打首獄門に処す」と書かれた立て札があることでも知られています。
中土佐町と津野町の町堺に近いこともあってか、この辺りは狭い1車線道路となっていますが、 沈下橋周辺だけは何故か2車線になっています。
橋の向こう岸は田畑になっており、そこへ渡る為に利用されているみたいです。
ちなみに、道の脇で焚き火をしているおじいちゃんがいて、めっちゃ見られてました。。。
川の水は澄んでおり、深い緑色をしています。
ここに来て、ポツポツと雨が降り出しました。
本降りになる感じではないですが、何とかもってほしいところです。
11:17に出発、次の一斗俵沈下橋へ向かいます。
最古の一斗俵沈下橋 (四万十町)
11:57、一斗俵沈下橋に到着しました。
ここは、四万十川最古の沈下橋として有名で、丸みを帯びた橋脚が特徴です。
川と道が若干離れており、狭い道へ入る必要がある為、場所はちょっと分かりにくくなっています。
高樋沈下橋はほぼ山の中でしたが、この辺りは集落もあり、車通りもそんなに少なくはありません。
道はつながっていますが、車が通るには危険なのか、車止めの柵がしてありました。
川幅は倍くらいになっているでしょうか。水は相変わらずきれいな様です。
そこから数100m下流には、現代橋の「源流大橋」が架かっています。
ここからの眺めが、とても良い雰囲気を醸し出しています。
雨の方は、なんとか小降りですんでくれています。
12:05に出発、四万十町の中心街である窪川を抜け、四万十川中流域へと入っていきます。
道の駅四万十とおわで昼食 (四万十町)
窪川から国道381号線に入ると、ここからしばらくは目立った沈下橋がない為、先を急ぎます。
しかし、窪川通過時点で20分弱の遅れに留まったことからも、少なくとも四万十源流登山口に寄ったのは正解だったと言えます。
12:42、道の駅四万十大正に到着。
トイレ休憩だけして、12:47に出発しました。
13:10、道の駅四万十とおわに到着。
ここの道の駅は比較的大きいので、お土産の購入と昼食休憩をとることにします。
四万十川の名産は、ウナギはもちろん、手長えび、青さのり等があります。
昼食は、ウナギはさすがにお高いので回避し、手長えびの掻き揚げ丼を頂きました。
ちょっとケチりましたが、数種類の小鉢が入ったかご膳がおすすめです。
その後はお土産を物色、青さのりの佃煮などを購入しました。
テラスからは中流域の四万十川を眺めることができます。
川のせせらぎや鳥の声などが聞こえてきて、ここにずっと座っているだけでも癒されます。
ただ、この日は草刈りをしていた為、そのモーター音に邪魔されてしまいましたが…。
けっこう長居してしまい、予定より5分早く到着したのに、出発は15分遅れになってしまいました。
14:00ちょうどに出発、四万十川下流域へと向かいます。
津大橋からの有名な画 (四万十市)
14:11、津大橋に到着しました。
尚、ここは沈下橋ではなく、れっきとした現代橋です。
では何故ここに寄ったかと言いますと、ここが四万十川の絶景ポイントであるからです。
と言う訳で、写真を撮ってみましたが、
何かイマイチ感動がありません…。
その理由は、おそらく今日の天気です。
これが澄み切った青空なら、色のコントラストが映えて綺麗だったと思うのです。
沈下橋は、曇り空の方が逆に雰囲気が出て良かったですが、ここではそうはいかないようです。
ちょっと残念でした。。。
14:22に出発、次は岩間沈下橋へ向かいます。
展望台のある岩間沈下橋 (四万十市)
津大橋から程なく、14:28に岩間沈下橋へ到着しました。
ここは四万十川の沈下橋の代表格で、駐車場付き展望台が整備されています。
ちょうど車が渡った為、タイミング良くパシャリ。
対岸に渡る為の道路として利用されているようです。
と言うか、ここより下流の沈下橋は生活道路となっており、普通に車が渡っています。
なので、全く珍しい光景ではありません。
私もこの後、下流の沈下橋を車で渡る予定です。
14:33、岩間沈下橋を出発。
次は、口屋内沈下橋と支流一透明度が高いと言われる黒尊川へと向かいます。
四万十水系一の清流、黒尊川へ (四万十市)
これより向かう「黒尊川流域」には、美しい清流や、貴重な森林環境、今では数少なくなった農山村の風景など、 自然の魅力が残っており、県によって「人と自然が共生するモデル地区」に指定されているそうです。
本流と黒尊川との合流口近くにある口屋内沈下橋は通過し、南の口屋内大橋から対岸に渡ります。
沈下橋を渡る手もありますが、それは後の楽しみにとっておくことにします。
口屋内集落に向かう途中、口屋内沈下橋がみえるポイントがありました。
口屋内沈下橋は、曲線を多用したデザインがユニークな、下流部では古株の沈下橋です。
実はこの橋、当時は通行止めだったようです。
写真ではよく分かりませんが、右から2番目の橋脚の台座が崩れ、昨年夏頃から橋脚が沈み始め、
この後、2ヶ月後の梅雨時に大きく沈み、2011年冬にはついに橋桁が落ちてしまったらしいです。
修復するのに1年位かかる模様、早く通れるようになるといいですね。
沈下橋付近にはキャンプ場があり、黒尊川ではカヌーも楽しめるようですが、
そんなことには全く目もくれず、黒尊川最下流にある藤倉沈下橋へ向かいます。
と言うか、時間的にそこまで行って帰ってくるのが限界でした。
20分余り走り、15:09、目標としていた玖木橋へ到着しました。
藤倉沈下橋は、ここから脇道に入った所にあるらしいのですが、
その脇道の真ん中に柵が設置してあるではありませんか!
しかし、車が通れる隙間はあったので、気にせず侵入してみることにしました。
まずは吊り橋の跡が現れ、更に先へには民家が1軒あり、何とこの先は行き止まりとなっていました。
しかし、川の水の透明度は本当に高いです。
浅いということもありますが、ちょっと離れた所からでも分かります。
対岸につつじが咲いていて綺麗でしたが、肝心の藤倉沈下橋へは行けないようです。
仕方なくUターンして玖木橋まで戻ります。
時間的な余裕がなく、藤倉沈下橋へ行くのは困難と判断し、 帰り道で、せめて川まで下りれる所を探すことにしました。
しかし、後で調べて知ったことですが、玖木橋からもう少し行った先の脇道から、
藤倉沈下橋へ行くことができたらしいのです。
そう、あの行き止まりの向こう側へ行けた訳で、そこに藤倉沈下橋があったのです。
藤倉沈下橋は、玖木オートランドというサーキット場へ行く為のもので、 その道も含めて個人の所有物になっているらしいです。
ここに行きたかった訳は、この沈下橋の橋脚の長さが数10cm位しかなく、 川面に近い(つまりは川まで下りられる)からでした。
いや…、ほんとに残念です。
これが、この旅「3大後悔」の1つとなってしまいました。
15:17、玖木橋を出発。
そこからの帰り道で、ここまで来る途中で「遊歩道」と書かれた立て札があったことを思い出し、
そこに寄ってみることにしました。
時間はありませんが、正直、そこ以外に川まで下りれる可能性がある所はなかったので、
駄目元でその遊歩道に全てを賭けます。
15:21、黒尊川遊歩道口に到着。
僅かな駐車スペースに車を止め、遊歩道の入口に入ると、
何と、直ぐ下に川面が見えるじゃありませんか!
そこへ行く道は無く、完全に「崖」になってましたが、どうやら登り下りはできそうです。
こんな短時間で川に下りられるなら、迷わず行くっきゃないでしょう!
そこには、静寂に包まれた、神秘的な空間がありました。
深い緑色で、透明度の高い川の水は、泳ぐ川魚が見えるほどで、 ポツポツと雨が打つも、鏡の様に平坦な川面が、岸辺の木々や空を映し出しています。
撮影を済ませた後、暫しの間、その空間を堪能します。
沈下橋も行きたかったですが、私の求めていた黒尊川はこれだった様な気がしたので、
結果的にはここに来てよかったと思います。
仮に沈下橋に行けて、ここに来なかったら、それは不幸なことだったかもしれません。
崖を登って車に戻り、15:34に黒尊川遊歩道口を出発しました。
口屋内大橋まで戻り、次の勝間沈下橋へと向かいます。
釣りバカの舞台になった勝間沈下橋 (四万十市)
15:53、勝間沈下橋へ到着しました。
橋脚が3本ある珍しい沈下橋で、釣りバカ日誌14の撮影場所としても有名です。
川幅が広がり、もう既に下流域へと入って来たことが分かります。
釣りバカ日誌14は、見たかどうかも分からなかったので、感慨に耽ることもなく…。
ちょうどこの頃から再び雨が降り出し、今度は本降りになりそうな感もあります。
ゴール四万十川河口まで、何とかもう少しもって欲しいものです。
15:58に出発。次は、遂に沈下橋を車で渡ります。
高瀬沈下橋を渡る (四万十市)
16:04、程なく高瀬沈下橋へ到着しました。
そのまま車で坂を下り、遂に沈下橋を渡ります。
欄干がないので、スリル感一杯です。
軽自動車なので余裕がありましたが、普通車ではただただ恐怖です。
ペーパードライバーの方は回避推奨…。
対岸には集落が見えます。
突き当たりで左折し、林の中のガタガタ道を突っ切ると、5分ほどで下流の現代橋の西に出ることができました。
沈下橋はもちろんですが、名もなき林道もなかなかのスリルです。
国道441号線には戻らず、川沿いの県道へ入って、 いよいよ最後の沈下橋へと向かいます。
最下流の佐田沈下橋 (四万十市)
16:25、佐田沈下橋へ到着しました。
ここは、四万十川最下流にある最長の沈下橋で、四万十市中心街に一番近い為、
一番おなじみで観光客も多いようです。
「最長」というだけあって、橋の中央付近にすれ違う為の待避所が設けられています。
それでも、車同士はちょっと難易度が高そうです。
ちなみにこの日は、金曜日の夕方ということもあってか、人っ子一人いませんでした。
16:30、最後の沈下橋に別れを告げ、四万十川の河口へと向かいます。
最後に河口を望む (四万十市)
四万十市中心街を通り抜け、四万十川の最終目的地である河口へと向かいます。
黒尊川でかなり時間を使った結果、現時点で予定より1時間遅れとなってしまいました。
日没が近くなったのか、やや空が暗くなってきましたが、河口までは何とか間に合いそうです。
佐田沈下橋でけっこう降っていた雨も、やや小康状態になってきました。
中心街より片道約15分、16:55に四万十川河口へ到着です。
いやぁ、長かったですね。
7時間かけて四万十川のほぼ全行程を下って来た訳ですから、かなり感慨深いものがあります。
やっぱり、源流点に行けなかったことが悔やまれます。
黒尊川を止めてでも行くべきだったでしょうか…。
17:05に出発、再び中心街まで戻って、一路愛媛県を目指します。
余談ですが、河口付近の集落の真ん中には、3階建ての津波避難台がありました。
しかし、東日本大震災クラスの津波が来れば、これもほとんど役に立たないのかもしれません。
ここの住民にとっては、全く他人事ではないのです。
ちゃんぽん麺にはありつけず… (八幡浜市)
できれば、八幡浜市でちゃんぽん麺にありつきたいですが、 基本ここからは、高速道路を活用しつつ、今日の宿がある愛媛県松山市へひた走ることになります。
17:17に四万十市中心街を通過し、国道56号線(中村宿毛道路)を通って、 17:44に宿毛市中心街を通過、18:10に道の駅みしょうMICに入ります。
トイレ休憩を済ませた後、18:20に出発。
この時点で、完全に闇夜に閉ざされました。
宇和島道路を通って、宇和島市中心街を19:07に通過。
西予市で八幡浜市方面へハンドルを切り、20:05に八幡浜市中心街へ到着しました。
ラーメン屋を探しますが、場所が分からない上に、見つけた商店街もあまり店をやってる雰囲気がありません。
来れるかどうか分からなかった為、徳島ラーメンや讃岐うどんの様な下調べをあまりしていなかったこともあり、
仕方なくちゃんぽん麺は諦めることにしました。
ちなみに、八幡浜のちゃんぽん麺は、 我が故郷播磨地方の「イトメン」という会社が製作・販売しているインスタントラーメンのロングセラー「ちゃんぽんめん」のルーツとのことで、 時間があれば寄ってみたいと思っていたわけであります。
コンビニで買出しをし、夕食をどうするか考えます。
お腹は空いてましたが、さすがにコンビニ弁当は嫌だったので、この後の道中で店屋を探すことにしました。
20:20に、八幡浜市中心街を出発しました。
夕食を摂らなかったので遅れは短縮されましたが、実質1時間遅れは変わりません。
急ぎ、本日の最終目的地である松山市へと向かいます。
伊予灘SAで遅い夕食 (伊予市)
大洲北只ICで大洲道路へ入り、そのまま松山自動車道を走ります。
結局、道中いい店が見つからず仕舞いで、もう空腹も限界だった為、 途中の伊予灘SAに入って、遅い夕食を摂ることにしました。
21:08、松山IC手前の伊予灘SAに到着、即行食堂へ向かいます。
見ると、22時閉店となっています。よくぞ開いててくれました!
ラーメンを食い逃した為、肱川ラーメンなるものを注文しました。
あっさりとした魚介系の醤油ラーメンで、けっこう美味しかったです。
21:35に出発、松山市道後温泉にある本日の宿「ホテルパティオ・ドウゴ」へ向かいます。
ホテルは道後温泉本館前 (松山市)
予定より50分遅れの22:00にホテルに到着しました。
何と、このホテルは、道後温泉本館の真正面にあるのです!
本館はもちろん、商店街や駅、公園へ歩いていけるという、他の高級ホテルや旅館を差し置いての最高の立地にあります。
早くチェックインしたかったのですが、 ホテルの駐車場へは停められないということで、少し離れた高台の駐車場へ案内されました。
部屋に入った後は、寝支度をして即行就寝です。
明日は6時過ぎに起床して、本館へ朝風呂に入りに行きます。
今日の長丁場でゆっくり寝たいですが、ここが踏ん張り所です。
明日の天気は、すっきり晴れはしないものの、どうやら雨は降らなさそうです。
明日は、しまなみ海道へ寄ってから香川県に入り、本場の讃岐うどんを頂いてから、金比羅さんへ参拝する予定です。
「四国一周旅行」【2日目】は、以上となります。
この続きは、【3日目】をご覧下さい。