銀河 Galaxy

宇宙の彼方にある恒星や星間物質の集合体  Galaxies of faraway space

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渦巻銀河 渦巻銀河
Spiral galaxy
画像:アンドロメダ銀河(M31)
温度高い 光度中位
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢中位
円盤銀河の1つ。数百億から数千億個の恒星や星間物質が重力的にまとまってできている天体。
一般的に円盤状で渦を巻いた形状をしており、その中心核(バルジ)には大質量ブラックホールがあると言われている。
そして、銀河の周りを殻状のハローが覆っている。
渦巻銀河は、銀河全体が持つ角運動量が相対的に大きく、 バルジは楕円銀河に似た特徴をもち、古い星を多く含み、 またディスクは扁平で回転しており、星間物質や若い星、散開星団等を含んでいる、という特徴をもつ。
ハローには古い星が含まれ、その多くは球状星団として存在し、銀河中心の周囲を軌道運動している。
我々の天の川銀河は、当初渦巻銀河であるとされていたが、最近の観測で棒渦巻銀河であるという見方が有力となっている。

棒渦巻銀河 棒渦巻銀河
Barred spiral galaxy
画像:エリダヌス座の棒渦巻銀河(NGC1300)
温度高い 光度中位
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢中位
円盤銀河の1つ。渦巻銀河と全く同じ特徴をもつが、銀河中心のバルジを貫くような配置の棒状構造をディスク内にもち、 渦状腕がこの棒構造の両端から伸びている点が通常の渦巻銀河と異なる。
全天で観測される渦巻銀河の内、約半数が棒渦巻銀河である。
最近の観測結果から、我々の天の川銀河も棒渦巻銀河であるとする説が有力になっている。
渦巻銀河にこの様な棒状の構造ができる原因はよく分かっていないが、 銀河ディスクの力学的不安定性によってこの様な棒構造ができるらしいことが、 銀河の数値シミュレーションや解析的研究等によって明らかにされつつある。

レンズ状銀河 レンズ状銀河
Lenticular galaxy
画像:大熊座のレンズ状銀河(NGC2787)
温度低い 光度低い
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢古い
円盤銀河の1つ。渦巻銀河と同じ様な凸レンズ状のディスク構造を持つが、 ガスや塵等の成分が非常に少なく渦状腕も見られない点が渦巻銀河と異なる。
レンズ状銀河のディスクは細かい構造を持たずのっぺりしている為、扁平率の大きな楕円銀河にも似ている。
ハッブル分類では楕円銀河と渦巻銀河の中間に位置する銀河とされている。
ガスが非常に少なく若い星が見られないことから、渦巻銀河が何らかの理由でガス成分を失い、 新たな星形成が行われなくなった銀河ではないかと考える説もある。
また、銀河の数が少ない領域にはレンズ状銀河はほとんど見られず、 銀河団内部等、銀河の密度が高い領域に相対的に多く見られるという特徴もあり、 レンズ状銀河の成因と関係があるのではないかと考えられている。

楕円銀河 楕円銀河
Elliptical galaxy
画像:髪の毛座銀河団の楕円銀河(NGC4881)
温度中位 光度高い
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢古い
銀河全体の角運動量が非常に小さい、星間物質が非常に少ない(もしくは含まれない)、若い星や散開星団が存在しない、 古い星から構成されている、大きな楕円銀河は球状星団系を持っていることが多い、といった特徴をもつ銀河。
最近の新しい理論では、楕円銀河は様々なタイプの小さな銀河が、 長い時間をかけてより大きな銀河へと衝突・合体した結果作られたのではないかとされている。
例として我々の銀河系も、大マゼラン雲・小マゼラン雲という2つの小さな銀河を飲み込みつつあることが知られている。

不規則銀河 不規則銀河
Irregular galaxy
画像:大熊座のM82銀河
温度高い 光度高い
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢若い
銀河の中でハッブル分類に属さないものの総称である。
不規則銀河は渦巻銀河のような渦状腕もなく、楕円銀河に特徴的な楕円体状の形態も持たない。
ガスや塵を非常に多く含み、HII領域が数多く存在する等、星形成が活発に行われている場合が多い。

《不規則銀河の種類》

I型何らかの構造を持っているが、ハッブル系列上に分類できる程にはその構造がはっきりしないもの。
II型ハッブル系列に分類できるような構造を全く何も持たないもの。

矮小銀河 矮小銀河
Dwarf galaxy
画像:画架(がか)座不規則矮小銀河(NGC1705)
温度中位 光度低い
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等 年齢中位
数十億個以下の恒星からなる小さな銀河。
我々の天の川銀河には2000億〜4000億個の星が含まれているが、矮小銀河の規模はこの約1/100程度である。
天の川銀河の伴銀河の一つである大マゼラン銀河には300億個以上の星があるが、矮小銀河に分類される場合もある。
天の川銀河が属する局部銀河群にはたくさんの矮小銀河が存在する。
これらの小さな銀河は、より大きな銀河の周りを周回していることが多い。
天の川銀河の周囲には12個の矮小銀河が周回していることが知られている。
矮小銀河は銀河進化の初期段階を示す天体で、渦巻銀河や楕円銀河等の銀河は、 矮小銀河が合体や降着を繰返して形成されると考えられている。

活動銀河 活動銀河
Active galaxy
画像:乙女座銀河団の活動銀河(M87)
温度高い 光度高い
主要構成物質H2、He、Si、C、Fe等
主要放射線電波〜γ線 年齢若い
星、星間塵、星間ガスといった通常の銀河の構成要素とは別の部分からエネルギーの大半が放出されている特殊な銀河。
バルジから大量のエネルギーが放出されている。

《活動銀河の種類》

電波銀河電波を放出する様々な銀河の総称。
セイファート銀河中心が恒星状に輝く核を有し、すさまじいジェットを噴出する。 中心に存在する巨大ブラックホールが放出するジェットと考えられているが確証はない。この銀河の多くは電磁波を放出することが多い。
クエーサー恒星の様な点光源に見えるが、非常に大きな赤方偏移(赤外線の放射に偏ること)を持っている天体。準恒星状天体。
スターバースト銀河太陽の10倍以上の質量を持つ恒星を短期間(約1000万年程度)で作っている銀河。爆発的星生成銀河とも呼ばれる。

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