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小惑星 Asteroid

太陽系内部(惑星間)小天体
Inner object of the solar system

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アステロイド 小惑星 Asteroid
太陽系内部(惑星間)小天体
Inner object of the solar system
太陽の周りをまわる岩石質の小天体。
塵の粒子から直径数キロまで、様々な大きさをしている。
中には容積が大きい為その重力で球体になったものもあるが、小さい天体等、そのほとんどは不規則な形をしている。
現在まで約1万個の小惑星の軌道が解明されている。
小惑星の軌道は、通常火星と木星の軌道の間のメインベルトにあるが、 トロヤ群と呼ばれる木星と同じ軌道のものや、アポロ・アモール群と呼ばれる地球や火星の軌道を横切るものもある。
後者に関しては、地球に接近したり、その欠片が隕石となって地球に降って来たりすることがあり、 約6500万年前に恐竜を絶滅させたのは、巨大アステロイドの衝突の為であろうと考えられている。
地球に直接的に影響する天体の為、今後の探査が益々重要になってくるだろう。

アステロイドの軌道による分類

■:地球近傍小惑星■:共鳴小惑星■:メインベルト天体■:EKBO■:その他
族・群名軌道長半径備考
アテン群〜1AU遠日点が0.983AU以上のもの。
地球準衛星1.00AU常に地球の近くに位置する。
アポロ群1AU〜近日点が1.017AU以下のもの。
アモール群1AU〜近日点が1.017〜1.3AUのもの。
火星トロヤ群1.52AU火星のラグランジュ点(L-4, L-5)に位置する。
ハンガリア群1.85AU火星の4/3倍の公転周期を持つ。
フローラ族2.15〜2.35AU
ベスタ族2.26〜2.48AU
マッサリア族2.37〜2.45AU
ニサ族2.41〜2.50AU
アリンダ群2.50AU木星の1/3倍の公転周期を持ち、近日点は1AUに近い。
マリア族2.50〜2.71AU
エウノミア族2.53〜2.72AU
パラス族2.71〜2.79AU
ゲフィオン族2.74〜2.82AU準惑星ケレスはこれには属さない。
コロニス族2.83〜2.91AU
エオス族2.99〜3.03AU
ヒギエア族3.06〜3.24AU
テミス族3.08〜3.24AU
キュベレー族3.43〜3.51AU
ヒルダ群3.97AU木星と衝の関係にある時、近日点を通過する。
テューレ群4.28AU木星の3/4倍の公転周期を持つ。
木星トロヤ群5.20AU木星のラグランジュ点(L-4, L-5)に位置する。
ダモクレス族8.0AU〜長楕円軌道をとるが、彗星の特徴を持たない。
ケンタウルス族5.3〜30AU木星軌道と海王星軌道の間にあり、
外惑星の摂動を受けやすく軌道は不安定。
海王星トロヤ群30.11AU海王星のラグランジュ点(L-4, L-5)に位置する。
3:4共鳴天体36.0〜36.4AU海王星の4/3倍の公転周期を持つ。
冥王星族39.0〜40.5AU海王星との3:2共鳴天体。3/2倍の公転周期を持つ。
3:5共鳴天体42.0〜42.5AU海王星の5/3倍の公転周期を持つ。
キュビワノ族41AU〜海王星と共鳴せず、離心率が0.15以下のもの。
トゥーティノ族48.0〜48.5AU海王星との2:1共鳴天体。2倍の公転周期を持つ。
散乱円盤天体48〜400AU離心率が0.2以上のもの。
(オールトの雲)1万〜10万AU仮説。長周期彗星や非周期彗星が該当。

※ 他にも多くの族・群があります。(惑星横断天体など)


主なアステロイド

エロス エロス Eros
太陽系地球近傍小惑星
A near Earth asteroid of the solar system
長軸半径17.2km 重量7.2×1015kg
密度2.67g/cm3 表面重力0.0006G
表面温度40℃以下 地上気圧なし
主要構成物質珪酸塩(Fe含有)
主要大気組成なし
軌道長半径1.46AU(2億1841万km) 平均軌道速度24.36km/s
公転周期1.76年 軌道傾斜角10.83°
離心率0.223 自転周期5.27時間
赤道傾斜角不明 アルベド0.25
初めて発見された地球近傍小惑星。軌道分類上はアモール群に属している。
また、エロスは地球近傍小惑星のうち最初に探査機が訪れた天体でもある。
エロスは地球へ最大2300万kmまで接近する。
なお、大きさにおいては、地球近傍アステロイドの中で2番目に大きい。

アイーダ アイーダ Ida
太陽系メインベルト小惑星
A main belt asteroid of the solar system
長軸半径29.9km 重量4.2×1016kg
密度2.6g/cm3 表面重力0.001G
表面温度-55℃以下 地上気圧なし
主要構成物質珪酸塩等
主要大気組成なし
軌道長半径2.86AU(4億2785万km) 平均軌道速度17.60km/s
公転周期4.84年 軌道傾斜角1.14°
離心率0.046 自転周期4.63時間
赤道傾斜角不明 アルベド0.24
衛星数1(ダクティル)
初めて衛星を持っていることが確認された小惑星。
衛星の名はダクティルと言い、長軸直径1.6kmの小さな衛星である。(写真:アイーダの右にある小さな点)
主に、アイーダに別の小天体が衝突した時にはじき出された破片がダクティルを形成したという説と、 もうひとつは、10億年以上前にアイーダとダクティルが対で形成したという説があるが、 いずれも決定的な証拠は見つかっていない。
ダクティルの発見以降、小惑星が衛星を持つことは珍しくないと考える研究者が増えている。
なお、アイーダは軌道分類上、コロニス族に属している。

キロン Chiron
太陽系特異小惑星
A peculiar body of the solar system
半径83km 重量2.7±0.3×1018kg
密度2.0?g/cm3 表面重力0.004G
表面温度-220℃前後 地上気圧なし
主要構成物質珪酸塩等?
主要大気組成なし
軌道長半径13.71AU(20億5102万km) 平均軌道速度8.04km/s
公転周期50.76年 軌道傾斜角6.93°
離心率0.380 自転周期5.92時間
赤道傾斜角不明 アルベド0.10?
土星と天王星の間を巡る軌道にある。
初めアステロイドとして発見されたものの、後に彗星かも知れないということで論争になった。
現在、公式に彗星とアステロイドの両方にリストされている。
軌道分類上はケンタウロス族に属している。(彗星にも属する)
ケンタウロス族の小天体は軌道が不安定で、キロンもやがて巨大惑星に捕らえられてしまうだろうと考えられている。
またキロンは、おそらくカイパーベルトから現在の位置に移動してきたと考えられている。

※ 準惑星及び太陽系外縁天体については、こちらをご参照下さい。
ケレス】 【カイパーベルト天体】 【散乱円盤天体】 【オールトの雲

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