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エッジワース・カイパーベルト天体
Edgeworth-Kuiper belt object

太陽系外縁エッジワース・カイパーベルト天体群
Edgeworth-Kuiper belt trans-Neptunian objects of the solar system

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エッジワース・カイパーベルト天体
エッジワース・カイパーベルト天体
Edgeworth-Kuiper belt object
太陽系外縁エッジワース・カイパーベルト天体群
Edgeworth-Kuiper belt trans-Neptunian objects of the solar system
太陽系の海王星軌道(太陽から約30AU)の外側の黄道面付近にある、 穴の開いた円盤状に天体が密集した領域。1999年現在174個が確認されている。
これらの天体は、この領域の存在を予測したエッジワースとカイパーにちなんで、 エッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)と名付けられたが、一般的にカイパーベルト天体と呼ばれている。
外側の境界はあいまいだが、連続的にオールトの雲につながっていると考えられる。
定義上、狭義では48AU、広義では400AUまでとされ、48AUより外側を散乱円盤という。
短周期彗星と、おそらくはオールトの雲の起源だと考えられている。

主なカイパーベルト天体の軌道による分類

■:冥王星族■:キュビワノ族■:トゥーティノ族■:散乱円盤天体■:その他
名前長軸半径軌道長半径備考
1995 DA220〜70km公転周期:220年4:3共鳴天体
ラダマントゥス43.5〜138km38.89AU
オルクス437〜510km39.17AU準惑星候補天体
冥王星1,153±10km39.45AU準惑星
イクシオン411km未満39.58AU準惑星候補天体
フヤ240±25km39.37AU
2002 UX25341±57.5km42.87AU準惑星候補天体
ヴァルナ437〜530km42.90AU準惑星候補天体
ハウメア980km43.03AU準惑星
クワオアー445±35km43.41AU準惑星候補天体
1992 QB160km以下44.22AUEKBOとしては最初に発見
デュカリオン45〜150km公転周期:296年直径が8割もある衛星を持つ
ロゴス40km45.03AU
マケマケ751±22.5km45.35AU準惑星
カオス225〜375km45.82AU
2002 AW197375±25km47.04AU準惑星候補天体
1998 SM165143.5±18km47.53AU直径が1/3の衛星を持つ
2002 TC302210〜595km55.54AU5:2共鳴天体、準惑星候補天体
2004 XR190212.5〜425km57.77AU分離天体
エリス1,200±50km68.05AU準惑星
1996 TL66287.5±57.5km84.25AUSDOとしては最初に発見
セドナ497.5±40km544.07AU分離天体、準惑星候補天体
2000 OO6732km公転周期:15,894年前後内オールトの雲から来た天体?

主なカイパーベルト天体

オルクス オルクス Orcus
太陽系カイパーベルト天体
The Kuiper belt object of the solar system
赤道半径437〜510km 重量6.32±0.01×1020kg
密度約1.5g/cm3 表面重力0.02〜0.05G
表面温度約-230℃ 衛星数1(ヴァンス)
主要構成物質岩石、氷[H2O、CH4、NH3]等?
主要大気組成不明
軌道長半径39.18AU(58億6020万km) 平均軌道速度4.68km/s
公転周期245.18年 軌道傾斜角20.57°
離心率0.227 自転周期13.19時間
赤道傾斜角不明 アルベド0.09
2004年に発見されたカイパーベルト天体。軌道分類上は冥王星族に属している。
将来的に準惑星に分類される可能性がある。
2007年、ハッブル宇宙望遠鏡の画像の分析により、オルクスの衛星(ヴァンス)が発見されたことが報告された。
アルベドがオルクスと同じだと仮定すると、衛星の直径は 262±170 km で、半径 8,980 km ほどの軌道を約9.54日の周期で公転しているされる。
月やカロンと同様、潮汐力によって自転と公転の同期が起こり、オルクスに同じ面を向けた状態で固定されていると考えている。

クワオアー クワオアー Quaoar
太陽系カイパーベルト天体
The Kuiper belt object of the solar system
画像:想像図
赤道半径445±35km 重量1.6±0.3×1021kg
密度4.2±1.3g/cm3 表面重力0.03〜0.04G
表面温度-230℃以下 衛星数1(ウェイウォット)
主要構成物質岩石、氷[H2O、CH4、NH3]等?
主要大気組成不明
軌道長半径43.41AU(64億9330万km) 平均軌道速度4.52km/s
公転周期285.97年 軌道傾斜角8.00°
離心率0.039 自転周期17.68時間
赤道傾斜角不明 アルベド0.07〜0.14
クワオアーは発見当時直径約1,200kmと推定され、冥王星以降に発見された最大の天体であり、 またそれまでに知られていた小天体の中で最大のものだった。
クワオアーの発見によって、冥王星を惑星に分類するという根拠はやや弱くなった。
同じくらいの大きさを持つカイパーベルト天体が、10個ほどは存在するだろうと考えた為である。
クワオアーはより典型的な惑星軌道(半径40AUをやや越える円に近い軌道)を持っており、 或る意味では冥王星よりも惑星に近いと言える。軌道分類上はキュビワノ族に属している。
将来的に準惑星に分類される可能性がある。
2007年、ハッブル宇宙望遠鏡の画像の分析により、クワオアーの衛星(ウェイウォット)が発見されたことが報告された。
アルベドがクワオアーと同じだと仮定すると、直径は 95 ± 24 km 、 長半径約14,500kmの軌道を約12.4日の周期で回っている考えられる。

※ 準惑星及び太陽系外縁天体については、こちらをご参照下さい。
冥王星】 【ハウメア】 【マケマケ】 【エリス】 【散乱円盤天体】 【セドナ】 【オールトの雲

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