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但馬の荘厳なる自然を巡る旅

悪天候による5週間の延期を経て、兵庫北部の自然を満喫しました。

2014年9月9日(火) 兵庫県北部:晴


昨年の有馬温泉に続き、兵庫の名温泉地の一つである城崎温泉へ行くことにしました。

城崎温泉は、5年前の北近畿巡りの旅で訪れたことがありますが、 当時は時間にあまり余裕がなかったのと、何より駐車場が見つからなかったこともあって、車で周回するのみで終わってしまっていました。

当初の計画では8月5日に赴く予定でしたが、ノロノロ台風の襲来でお盆休み明けに延期となり、 更に天候不順で休日と天気が全く合わず、計5回計5週間の延期を経て、ようやく9月9日に行けることになった次第です。

週間予報が「曇時々晴れ」から「曇時々雨」にことごとく変わり、かなりイライラがつのりましたが、 待った甲斐あって、清々しい「快晴」のもとでの出発となります。


竹田城跡を望む立雲峡へ (朝来市)

朝夕のラッシュによる渋滞を考慮して、予定より30分早い7:32に出発。

すると思った通り!
国道250号線で渋滞が発生しており、早くも20分の貯金が無くなってしまいます。

高砂市に入ると渋滞も解消し、そのまま姫路パイパスを経由して、播但連絡道路に入ります。

この道は、7年前の加古川源流域への旅でも通ったことがあります。
当時は途中で一般道に下りたりしていましたが、今回は終点の和田山JCTまで走り抜けます。

本日一発目の目的地は、ここ数年で有名となった天空の城「竹田城跡」を望む立雲峡です。
そう、有名になって観光客が多くなった結果、竹田城跡はダメージを受けてしまい、立ち入り禁止になってしまったのです。

でも、私は思うのです。
竹田城跡は、その場に行くよりも、遠景を楽しんだ方がいいのではないかと。

立雲峡は、竹田城跡と谷を挟んだ向かい側に位置する絶好の眺望ポイントなのです。

竹田城跡や立雲峡は、和田山JCTから少し南に戻ったところにあります。

実は、竹田城跡は播但連絡道路からも見ることができるのです。
和田山PA辺りで、正面に現れる山の頂上をよく見たら、、、

播但連絡道路から見た竹田城跡

そう、あれが竹田城跡です!
7年前もここを通っているのですが、全く気付きませんでしたね。
(当時は、竹田城跡の存在を知らなかったので当然でしょうが…)

8:58、和田山JCTを出て国道312号線を南下、竹田交差点で左折して県道277号線へ。
暫く坂を上ると、立雲峡登山口の看板があるので右折。
すると、いきなり一車線の山道に突入です。

対向車に気を付けながら暫く上ると、何故か急に二車線になり、何やらゲートらしきものが見えてきます。
「有料とは聞いていなかったが?」

よく見ると、任意で300円を入れて下さいとのこと。
今回の旅ではほとんどお金が掛からないので、ここは気前よく寄付させて頂きます。

9:07に駐車場へ到着。
すると、そこからもう既に竹田城跡が見えるじゃありませんか!

立雲峡駐車場から見た竹田城跡

ほぼ高さ的には同じくらいでしょうか。
これで雲海の上にあれば、かなり幻想的でいい画が撮れそうです。
もう、ここからでも十分な気がします。

でも、折角来たので登ることにします。
時間的には、第2展望台まで行けるはずです。

歩き始めて数分で、第3展望台に到着。
駐車場と大差なかったので、写真は撮りませんでした。

更に10分ほど登ると、滝が見えてきました。
ここからも竹田城跡が見えます。

更に進むと、その滝の上に出ました。

第2展望台からの眺め

ふと傍らを見ると、そこには「第2展望台」の立札が…。
「えっ、ここがそうなの!?」

ここで折り返すのは納得いかなかったし、時間にも余裕があるので、第1展望台まで行くことにしました。

5分ほど登ると、第1展望台の立札が見えてきました。

第1展望台からの眺め
第1展望台から見た竹田城跡

やはり、ここまで来て正解でした。
なかなかの良い眺めです。

駐車場の写真と比べると、ちょっと見下ろす感じになるのがわかると思います。
私は、個人的には駐車場のポイントの方が好きですね。(ここまで来といて何ですが…)

雲海のシーズンになると、ここにカメラの三脚が立ち並ぶとのこと。
雲海撮るなら、当然こっちの方がいいでしょうね。(下じゃ雲の中ってことも…)

ここから更に上を目指す道もありましたが、誰も行かないせいかちょっと荒れが目立ちます。
不気味な感じもしたので、時間があってもたぶん行かなかったでしょう。

時間的がなくなってきたので急ぎ下山し、少し休んだ後、10:06に立雲峡を後にしました。

昼の城崎は、意外な落ち着き… (豊岡市)

途中の国道9号線を経由し、国道312号線を北上します。

豊中市街地を通過し、円山川沿いの県道3号線を北上すると、見覚えのある風景が現れます。
そう、5年前にも訪れた城崎温泉に到着したのです。

今回、駐車場の場所を再確認したところ、狭い路地をちょっと入った先にあったことが判明。
当時すぐ近くを通っていたのですが、看板もなかったのでスルーしてしまっていたようです。

今回はGoogleマップの航空写真でしっかり確認していたので、迷うことなく11:24に木屋町駐車場へ到着することができました。

駐車場の脇に、温泉街の中心を流れる大谿川(おおたにがわ)がありました。

木屋町駐車場脇を流れる大谿川

何か京都っぽくていい感じですね。

この辺は桜並木ですが、東の方へ行くと柳並木になっています。
柳並木は城崎のシンボルでもありますが、私は昨年行った京都の祇園を思い出します。

さて、まずは外湯に入って、日頃の疲れを癒したいと思います。
私が入るのは、城崎の中心にあり外湯を代表する「一の湯」です。

一の湯

城崎温泉は、平安時代から知られている温泉で1300年の歴史があります。

泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物・高温泉で「熱の湯」とも呼ばれ、 塩の効果で体の芯まで温まり、エネルギー消費効果も持続されます。

城崎温泉には、駅側から「さとの湯」「地蔵湯」「柳湯」「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「鴻の湯」の7つの外湯があります。
泉源は同じですが、それぞれ異なるご利益があるそうです。

「一の湯」は、開運と招福の湯です。
一番入りやすそうだったのもありますが、このご利益が今の私に一番合っているのが選んだ理由です。

大浴場(ジャグジー付)と半露天の洞窟風呂で構成されています。
普通に入るなら、ここで十分満足できます。

変わったところが良ければ、一番人気(特に女性)の「御所の湯」か、設備の整った「さとの湯」がオススメです。
「まんだら湯」も良いと聞きますが、ここは15時オープンなので注意が必要です。

また、各外湯で定休日がまちまちで、オープンも7時の所と15時の所があるので、しっかり調べておく必要があるでしょう。

さて、お風呂を頂いた後は、湯冷ましも兼ねて温泉街を散策に向かいます。
まずは、御所の湯の前を通って、奥のロープウェー乗り場の方へ行ってみました。

御所の湯
温泉寺参道

朱色の橋を渡って、左手にロープウェー乗り場、右手に茶店と泉源、奥にお寺があります。
ここの茶店は、ジェラートと温泉卵で有名なんだそうです。

続いて折り返して、今度は駅前の方へ行ってみます。

駅前は、さすがに人が多かったです。
さとの湯の足湯も、ほぼ埋まってました。

駅のロータリーの中に、温泉の飲泉場があります。

城崎温泉駅前湯飲場

一の湯の前にもあったので、そこで飲んでみたところ、ほんのり塩味がしました。
有馬の炭酸泉は酷くマズかったですが、それよりははるかにマシでした。

駅前を後にして、駐車場に戻ります。
13:10、城崎温泉を後にし、近場の玄武洞へ向かいます。
ちなみに、この時点で30分の貯金を使い果たし、ほぼ予定時間通りとなりました。

玄武洞は洞窟にあらず (豊岡市)

城崎温泉からすぐ南の橋を渡り、対岸の県道548号線を南下します。
13:22、玄武洞公園に併設されている玄武洞ミュージアムに到着しました。

予想と違って、そこそこ人がいます。

玄武洞と言えば、ゆるキャラの「玄さん」が有名ですが、土日なら会えるかもしれないとのこと。
稼ぎ頭のふなっしーと同じく数少ない喋れるキャラクターなんですよ。

私も玄さんを知ってから玄武洞の存在を知ったくらいで、けっこう貢献しているんじゃないかと、個人的には評価しています。(そんなの兵庫県人だけですかね…)

それはともかく、この玄武洞。
四神の名が付いていることからも想像がつくとは思いますが、他にも、朱雀・白虎・青龍の名が付いた洞窟があります。

まずは、メインの玄武洞です。
唯一、大きな洞穴が開いていますが、中に入ることはできません。

玄武洞

次に、その北隣にある白虎洞です。
4つの内で一番小さく、ただの模様が付いた凹んだ岩壁です。

白虎洞

更に北隣にある、北朱雀洞(写真左側)と南朱雀洞(同右側)です。
北朱雀洞の方が大きいです。南朱雀洞の方には水溜りがあります。

北朱雀洞と南朱雀洞

最後に、玄武洞の南隣にある青龍洞です。
玄武洞の影に隠れてますが、実はこっちの方が模様が美しく評価が高いです。

青龍洞

実は、玄武洞は完全に自然形成されたものではなく、 河川浸食で玄武岩溶岩の層が露出し、それを人間が採掘してできたものだそうです。

よって、そんなことも知らずただ有名だから来てみたものの、けっこうガッカリして帰る人も少なくないのではないかと思われます。
でも、玄武岩の地層美を鑑賞するには、十分なクオリティがあるとは思います。(興味がある人にとっては…)

ミュージアムでお土産を2点ほど購入し、13:22に出発。
昼食を摂り損ねているので、途中の豊岡市街地へ立ち寄ることにします。

珍しいロータリー交差点を通ってみる (豊岡市)

県道548号線を南下し、円山川を渡って、豊岡市街地へ入ります。
店を探す時間が勿体ないので、適当にコンビニに入って、買い出しを行いました。

20〜30分ほど遅い昼休憩をとって、次の目的地へのルートを確認します。 そこで見つけたのが、このすぐ近くにある円形の交差点です。

後で調べたら、「寿ロータリー」と言うそうですが、 そう言えば、5年前の北近畿巡りの旅の時にも、 鳥取駅の北に同じ様なロータリー交差点にたまたま出くわして、プチパニックになった記憶があります。

滅多にない経験なので、今度は上手く通り抜けてやろうと思い、寄ってみることにしました。

行ってみると、中央部は公園の様になっています。
白線を見るに中が優先ぽかったので、適当に車をやり過ごしてから中へ侵入します。

何とか上手く通り抜けることができましたが、正直ちょっとドキドキしました。
こういう非日常を体験するのが旅の醍醐味ですね。

15:00、豊岡市街地に別れを告げ、一路丹波の水分れ公園へと向かいます。

水分れ公園で、へそ公園以来の衝撃を受ける (丹波市)

往路と全く同じ道を、途中の国道9号線を経由し、国道312号線を南下します。

和田山の一本柳交差点15:50に通過。
豊岡を出る時に既に30分遅れになっていましたが、更に10分遅れとなってしまいました。

この先は一般道の国道427号線を南下する予定でしたが、峠道を走ることになる為、更に遅れるのが濃厚だと判断し、 急きょ並走している高速道路を使うことにしました。

山東ICから遠坂トンネル(有料区間)に入り、そのまま北近畿豊岡道(無料区間)で、一気に水分れ公園の近くまで行ってしまいます。
遠坂トンネルの料金は、たったの210円(軽自動車)でした。

氷上ICで下りて、ほどなく南にある交差点から東へ進んだ先に水分れ公園があります。
無料駐車場があるのですが若干わかりにくく、どん突きの公園入口まで行ってしまいました。

16:28に到着、30分遅れに変わりありませんでしたが、あのまま峠道に入っていたらと思うとゾッとします。

駐車場から小川沿いの遊歩道を歩いて行くと、先程の公園入口に出ました。
そこからちょっと先に、有名な川の分岐点があります。

水分れ公園水路分岐点

そもそも「水分れ(みわかれ)公園」とは、本州一標高の低い谷中中央分水界に造られたもので、 小川(高谷川)自体は瀬戸内海へ流れ、その北にある道を境界にして北側にある水路は日本海へ流れていく様になっています。

上の写真はその分岐点なのですが、
これ…明らかに人工ですよね。。。

しかも本流から分岐した先はすぐどん突きになっていて、何やら蓋の様なものが…

どうやら水は流れていっているようですが、この先は用水路になっていて、日本海へ流れていくのは間違いないらしいです。

分水界で水路が分かれるのは確かに珍しいのですが、
何でしょう…この残念感。。。

ちなみに中央分水界の最低点は、ここから1q弱西にある「石生新町」交差点付近の標高95mだそうです。

とりあえず気を取り直して、公園内を散策することにします。

水分れ公園立札
水分れ公園人工滝
水分れ公園人工滝からの眺め

しかし、人っ子一人いません。。。

しかも、豊富に水は流れているのですが、水は汚いし、人工物で固められているし、 周辺の緑の木々以外は、全く自然の良さが感じられません。

ちょっとタイプは違いますが、これは7年前の加古川源流域への旅で訪れた「日本へそ公園」と同じ様な衝撃です。

あちらは芸術がモチーフでしたが、この人気のなさ、人工物の冷たさ、地理的シンボルを冠した公園。
本当に、同じニオイがします。

時間が押しているので、公園を一回りしてから一休みし、17:00に出発しました。

7年ぶりに闘竜灘を再訪 (加東市)

公園から西へ戻って、国道175号線を南下します。
次は最後の目的地、闘竜灘です。

ここには加古川源流域への旅でも訪れていますが、 この時は日没に間に合わず、まともに写真も撮れず、川も渡れずで、悔いが残っていた場所なのです。

今回も最後ということで、スケジュールが押したら諦めるつもりでしたが、 何とか十分明るい内に辿り着くことができました。
(和田山〜丹波間で高速使ってなかったら、恐らく間に合っていなかったでしょう。)

一度来た所なので、全く迷うことなく、17:48に闘竜灘に到着。
無料駐車場から少し南へ歩くと、激流の轟音が聞こえてきます。

闘竜灘西岸の激流

この闘竜灘、歩いて対岸まで渡ることができるのです。

闘竜灘西岸の歩道橋
掘割水路

この水路は、昔は加古川最大の難所だったこの場所を通る為に造られたもので「掘割水路」といいます。
実は、前回もここまでは来ていたんですね。(夜になりかけていたので断念しましたが…)

写真を見てもわかる通り、道中所々にコンクリート製の橋が掛かっているんです。
「ここも人工物かよっ」とも思いますが、ここはまだ歴史を感じられる分、あまり嫌な感じはしません。

対岸は草ぼうぼうでしたが、近くに上り口があったので、草を掻き分け、何とか堤防へ上がりました。 (道路橋の北側にまともな上り口があったのを後で知りました…)

闘竜灘全景

最後に、道路橋から見た闘竜灘です。
こんなに奇岩がゴツゴツしているのは、この一角だけだということがわかると思います。

また、闘竜灘は飛び鮎の名所としても有名で、毎年5月1日には日本一早く鮎漁が解禁されるそうです。

7年前の無念をスッキリ晴らし、18:18に闘竜灘を出発、帰路につきます。

懸念された渋滞もなく、予定より50分遅れの19:22に、無事帰宅することができました。
総走行距離は290.1q、燃費は20.1q/lでした。

次回は、早くて来年の春頃になります。
4月前半の奈良か、5月頃のしまなみ海道(四国一周旅行の補完)を予定しています。

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