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奈良吉野 桜華絢爛の旅
【1日目】

花見も兼ねて、吉野の千本桜・平城宮跡・奈良公園を巡りました。

2015年4月9日(木) 奈良県北部:曇時々晴


久々の春の旅行です。
いよいよ、2012年にいくはずだった奈良県の「吉野の千本桜」へ向かいます。

当時は「金環日食」という世紀の天文イベントがあったので、急遽それに合わせて、紀伊半島一周旅行に予定を変更したのです。

奈良は、前回の京都同様、我が第2の故郷「京都府京田辺市」に近く、何度か自転車で行くこともありましたが、 当時は自前のカメラを持ち合わせていなかったので、ほとんど記録が残っていませんでした。

今回は「吉野の千本桜」に加えて、行ったことはあるけど恐らく様変わりしているであろう「平城宮跡」と、 意外とまともに行ったことがなかった「奈良公園」を巡ります。

ただ、今年の桜シーズンは、直前に急に5月並みの暖かさになって、平年より5日以上も早く開花が進んだり、 開花した後は前線が停滞して雨続きと、ここ数年で最悪のコンディションになってしまいました。

私が行く日も、1日目はまずまずですが、2日目は雨確定と言うことで、予定していた日程の1日目と2日目をそっくり入れ替えて臨むことになりました。
もう1日前にずれていればベストでしたが、今年に関して言えばベターなので、まだ運が良かった方と思うしかないでしょう。

今回も、京都同様の電車とバスの歩き旅。
一応筋トレはしましたが、果たして私の脚はもつのか、はたまた地獄を見るのか…。


出発早々、アクシデントに遭遇 (加古川市〜大阪市天王寺区)

予定通りの8:08に出発。
本日の目的地、吉野山への中継駅となる天王寺駅・大阪阿部野橋駅へ向かいます。

まずは、山陽電車の普通(各駅停車)から直通特急に乗り継ぎ、明石駅にて下車、JRの新快速に乗り換えます。

とここで、いきなりのアクシデント発生!
救護者対応の為、新快速が遅れているとのアナウンスが―

結局12分ほど遅れての出発となりましたが、この後は大阪環状線に乗り換えるだけなので、特に大きな問題はありません。
ただ、幸先が悪いですが…。

旅は予定通りにいかぬもの。
イレギュラーがあるから面白いとも言えます。

電車は遅れるとダイヤが狂ってくるので、道中も信号待ちなどで更に遅れ、 最終的には15分遅れの10:06、JR天王寺駅に到着となりました。

あべのハルカスを見上げる (大阪市阿倍野区)

JR天王寺駅の南隣に、近鉄大阪阿部野橋駅があり、その上にそびえ立つのが、 地上60階建て、高さ300m、日本で最も高い超高層ビル『あべのハルカス』です。

ちなみに、両駅の間にある交差点上に架かる歩道橋は、上から見ると『a』の字の形になっています。

あべのハルカス最上層は、「ハルカス300」という展望フロアになっています。(入場料:一般1500円から)
今回私は時間がなくてパスしましたが、天気が良ければ、ぜひ上ってみてはいかがでしょうか。(きっと絶景が堪能できるはずです!)

とりあえず周辺を散策した後、ちょっと早いですが昼食を摂っておきます。
これは、吉野でまともな食事をするのは難しいだろうとの判断からです。
できれば予定通りの電車に乗りたいので、近くで見つけた吉野家で済ませました。

思惑通り、12:52発の近鉄急行に乗車。
乗り換えなしで吉野まで行ける為、ここで仮眠をとることにします。

実は、ここで特急(要特急料金、全席指定席)に乗る選択肢もあったのですが、 先のアクシデントでその余裕もなくなり、またあまりメリットもないのでパスしました。

吉野山到着、散り始めの七曲坂を上る (吉野町)

13:05、吉野駅に到着。
平日ですが、けっこう人が多いように感じます。

駅に置いてあったルートマップを見て、今日の行程を再確認し、いざ吉野山へ出発です。

駅前には、お土産物屋が並んでいます。
最悪、ここでの購入が可能というわけですね。

現存する日本最古の吉野山ロープウェイ乗り場の脇を抜けて行くと、七曲坂に入ります。

七曲坂(1)

駅前もそうでしたが、この辺りの桜は既に「散り始め」の状態の様です。
桜も色褪せ、道路に花びらが点々と散りばめられています。

ですが、これなら想定内です。
上の方が満開状態ならそれでいい訳で、花吹雪も見られたなら、タイミングとしてはバッチリだったということです。

ちょっと行き過ぎ感もあるのが気になりますが、これは期待をもっても良いのではないでしょうか。

七曲坂(2)

坂を上っていくと、状態の良い桜が増えてきてひと安心。

そこまでキツくはありませんでしたが、体力に自信のない方は、ロープウェイに乗って、 上から七曲坂の桜を見下ろすのもいいでしょうね。

15分余りで坂を上り切り、目抜き通りに出ると、一気に人の数が増えます。
どうやら、車で来た人がここで合流するからのようです。

その車で来た人の流れに逆らい、その道を逆に歩いていきます。
5分ほど行った所に観光駐車場があるのですが、その途中に良い展望台があるのです。

その「昭憲皇太后御野立跡」からは、下千本の全景を見渡すことができます。

御野立跡からの下千本の眺望(1)
御野立跡からの下千本の眺望(2)

後者の写真がそうですが、左下が吉野駅前、右上が先程の合流地点になります。
そう、七曲坂の桜が下千本のメインなんですね。

観光駐車場で折り返し、目抜き通りを歩いて、中千本方面へ向かいます。

吉野山一の絶景「一目千本」へ (吉野町)

合流地点に戻って、朱色の大橋を渡り、黒門を潜って、銅の鳥居を過ぎると、 まもなく蔵王堂や仁王門で有名な金峯山寺に到着します。

その銅の鳥居の脇で、何やら訴えをしている人たちがいます。
どうやらそばの老舗旅館(町議がオーナー)が温泉に水道水を使っていたということで、別の町議が糾弾していたようです。

そう言えば、前日にそんなニュースが流れていましたが、まさか此処の事とは思いませんでした。

しかし、観光客相手に訴えかけるのは確かに効果的かもしれませんが、我々側から見れば迷惑千万です。
非日常を体感しに来ているのに、現実世界に引き戻されては堪ったもんじゃありません。

そして13:43、仁王門の前に出ると、またまた都会的な光景が…。

金峯山寺仁王門
金峯山寺蔵王堂

寺院仏閣には避けて通れないものですね。
解っちゃいますが、知らずに来るとやっぱりちょっとね…。

この日の夜に知ったことですが、これまた前日、金峯山寺で油のような液体が撒かれる被害があったそうです。
この年、奈良や京都の寺社仏閣を中心に、連続で被害が相次ぎました。

本当に許せない行為です。

特に何もなさそうだったので、10分ほどで金峯山寺を後にしました。
明日なら行事があったらしいのですが、雨じゃ話になりませんからね。

この辺りは、土産物屋などが多く立ち並んでいます。
14:00ちょうどに東南院前に到着、多宝塔と枝垂桜を撮影しました。

東南院多宝塔と枝垂桜

残念ながら、枝垂桜は色褪せてしまっていました。

東南院からちょっと行くと石の鳥居があり、その下り坂の先には吉水神社があります。

吉野の千本桜を見に来たなら、ここには絶対寄って下さい!

何故なら、吉水神社の山門前には、吉野山随一の展望台があるからです。

一目千本(1)
一目千本(2)

その名も「一目(ひとめ)千本」。

中千本と上千本の桜を一目で見渡すことができる絶景スポットなのです。
下千本がそろそろ散り始める頃が、一番いいタイミングでしょう。

ちょっと曇り空なのが残念ですが、今日はまずまず良い方なのではないでしょうか。
どうしても人が多いので、ゆっくり堪能したければ午前中早めがオススメです。

▼ 奈良吉野 桜華絢爛の旅〜吉野山一目千本 - YouTube

私は、吉水神社も拝観せずに次へ向かいましたが、 パワースポットもあり、風情ある書院や庭園、文化財も目にすることができるので、 ゆっくりしても全く損はないと思います。

桜と蔵王堂

参道の途中には、蔵王堂を臨むスポットがあり、ここもお勧めです。
(私はアングルをミスって、人家の構造物もフレームインしてしまってます…。)

14:18に目抜き通りに戻り、いよいよ上千本方面へ向かいます。

五郎平で休憩後、上千本の坂道を上る (吉野町)

この先は、山の上を通る道と下を通る道に分かれます。
上ルートは、竹林院や桜本坊などの名所がありますが、下ルートは特に何もありません。

私は特に何も考えずに下ルートを進みましたが、後から考えれば、ここは上ルートから行くべきでした。
結果、上ルートはノータッチで帰ることになってしまいました。(とは言え、そんなに後悔はしていないのですが。)

下ルートからは、如意輪寺がある中千本エリアへ行くことができますが、上千本とは全く方向が違うので、こちらは後回しにすることにしました。

その分岐点に、五郎平(五郎兵衛茶屋)という丘があり、ここからも桜の眺望も楽しめます。
ちょうど中間地点にあるので、ここで休憩している人が多く見られました。

五郎平からの眺望

ここから上千本へは一気に坂が急になるので、本当にこの辺での休憩はオススメです。
私も5分ほど休憩して、14:40に出発しました。

上ルートと合流し、上千本への道を上っていきます。

程なく、御幸の芝という休憩所が見えてきました。

御幸の芝休憩所

道の反対側には小さい神社もあり、ちょっとした見晴らし台にもなっています。

休憩し損ねた方は、ここで休むのがベストでしょう。
まだまだ、上り坂は続きます。

暫く集落の中を歩くと、その先に七曲坂の様なヘアピンカーブと桜並木が現れます。
1つ目のカーブの所には上千本の立札があり、その近くにはちょっとした展望台がありました。

上千本看板近くの展望台

更に上って、横川覚範首塚を過ぎると、「伊藤忠アーバンコミュニティの杜」なる場所があり、皆その小径へと入っていきます。

伊藤忠アーバンコミュニティの杜入口
伊藤忠アーバンコミュニティの杜からの眺望

そりゃ当然ですよね。
目の前にこんな絶景が広がっているんですから。

ここでは、桜の苗木を植樹し、育成・管理するプロジェクトを行っているそうです。
ちょうど私が訪れた2日後に、7年目の活動をされたとのこと。

とにかく広く、ゆっくり堪能できることから、観光客に人気のスポットになっていました。

後者の写真の右奥に、蔵王堂が見えると思います。
これまで歩いてきた距離と、目の前に広がる吉野山の全景に、感動もひとしおです。

▼ 奈良吉野 桜華絢爛の旅〜吉野山上千本 - YouTube

10分ほど滞在し、15:18に出発。
目的の折り返し地点まで、あと少しでしょう。
もうひと踏ん張り、坂道を上っていきます。

吉野水分神社で折り返し (吉野町)

暫く歩くと、花矢倉展望台の看板が見えてきました。
ちょっと営業の臭いがして嫌な予感がしましたが、とりあえずは折り返し地点の吉野水分(みくまり)神社を目指します。

展望台の看板から集落をちょっと抜けた先に、枝垂桜と年季の入った鳥居が立っています。
吉野駅から約2時間半かけ、15:25、水分神社に到着です。

吉野水分神社

子授け、安産の信仰を集めており、回廊型の特異な構造の神社です。
静かで古びた山奥の神社という感じで、とてもいい雰囲気で安らぐことができました。

心洗われたところで、これまで来た道を折り返して行きます。

まずは、先程嫌な予感がした花矢倉展望台に向かいます。

すると、やはり思った通り、そこにはお茶屋さんがあって、有料の座敷と撮影スペースが設けられていました。
フリーで見られるスペースはわずか数メートルの幅しかなく、そこに人が密集しています。

何とか良い写真は撮れましたが、ゆっくり景色を堪能する余裕なんてありませんでした。

花矢倉展望台からの眺望

ただ、景色のクオリティは、確かにこっちの方がイイ!
何とも複雑な気分ですが、これで下の伊藤忠の杜が人気な訳がわかりました。

と言う訳で、再び伊藤忠の杜に立ち寄り、雄大な景色を前に間食休憩をとることにしました。 20分ほど休んで、16:03に出発、上千本を後にします。

満開状態のシロヤマザクラ

帰りの道中、満開状態のシロヤマザクラを撮影してみました。
既に新葉が出ていますが、これで満開の状態です。

都会では一般的に見られるソメイヨシノとは全く違います。
ちなみに、ソメイヨシノの「ヨシノ」はここの「吉野」のことですが、 ここの山桜とは全く関係なく、作出者が古来より名高い吉野山にちなんで命名しただけとのことです。

ちょっと脚がキツくなってきましたが、まだ時間に余裕があるので、 後回しにしていた中千本エリアへ向かうことにします。

遠く感じた如意輪寺 (吉野町)

竹林院や桜本坊などがある山の上ルートを通りたかったのですが、 結局、五郎平がある下ルートに出てしまいました。

もう上ルートに戻る気力もなく、また時間的な余裕もないかもしれなかったので、 このまま中千本エリアの奥にある如意輪寺へ向かうことにしました。

五郎平脇のハイキングコースへ入り、谷の対岸にある如意輪寺まで歩いていきます。
ほとんど人はおらず、非常に静かな雰囲気です。
まばらではありますが、桜の木もありました。

如意輪寺までのハイキングコース

しかし、思ったより距離があるように感じます。。。
谷底から如意輪寺へ上る坂が、かなりキツく感じました。

16:40、如意輪寺に到着。
本堂の背後には後醍醐天皇の陵がありますが、急階段を見て一気に行く気が失せました。

しかし、今回私は、全く寺社仏閣に興味を示しません。
京都の時とはエラい違いです。

とは言え、紅葉とは違って、拝観しなくても桜が見られる、ということなのでしょうが…。

と言う訳で、さっさと如意輪寺を後にし、観光車道へと出ます。

この観光車道から見える桜のスポットがあるらしいのですが、どこかイマイチわからなかったので、 とりあえず如意輪寺のバス停から、高台に登ってみることにします。

このハイキングコースにも桜が群生している場所があり、なかなか悪くありませんが、 谷の方を見るとやっぱり桜はまばらです。

一体何処のことだったのでしょうか?
道の先は上千本方向へ戻って行ってしまうので、深入りせずに観光車道へ戻ります。

仕方なく観光車道を五郎平方面へ歩いていくと、ヘアピンカーブの所で急に桜の密度が高くなってきました。
振り返ってみると、そこにはこんな絶景が!

滝桜

これが滝桜だったのですね!
もう陽が落ちてきていたので色合いはイマイチですが、最後に良いものが見れました。

これで、心置きなく吉野山を後にすることができます。

17:17、滝桜を後にし、吉野駅へ向かいます。

ライトアップは諦め、ホテルへ向かう (吉野町〜橿原市)

目抜き通りで土産物を物色しようとしましたが、歩行者天国も解除され、 店じまいの準備も始まっていたこともあり、なかなか適当な物が見つかりません。

そんなこんなで、18:00、吉野駅前に着いてしまいました。

実は七曲坂でライトアップがあったのですが、まだ時間は先の様だったので、 結局諦めて下りて来てしまったのです。

まあ、小規模だったようですし、けっこう散ってきてましたし、もういいでしょう。。。

駅前で休憩しつつ、土産物屋を物色します。
吉野らしいものということで、地元産の葛餅にしました。

18:37発の急行電車に乗り、吉野山を後にします。
意外と余裕で座れたので助かりました。
吉野駅では、立っている人はいなかったですね。

19:42、大和八木駅に到着。
ホテルに行く前に、コンビニで明日の朝食などの買い出しを済ませ、夕食を摂りに行きます。

事前に調べた結果、何とホテルと同じビルにラーメン屋さんが入っているのを見つけていたので、そこで済ませることにしました。

入ったのは、「らーめんむつみ屋」。
北海道開業のラーメン屋さんで赤味噌らーめん押しでしたが、ここは敢えて醤油ラーメンを選択。
煮干しベースの濃い目の醤油味で美味しかったのですが、やっぱり初見では王道の赤味噌にしておくべきだったと、ちょっと後悔しました。。。

そう言えば私は、四国の徳島ラーメン、京都の富山ブラックと、濃ゆい醤油ラーメンばかり食してきましたが、 いずれも私には、しょっぱさと魚介系の出汁がイマイチ合わなかったのを思い出しました。

全く懲りないものです。
さすがに次は違う種類のラーメンにしなければ…。

20:15、ホテルに到着。

やっぱり、だいぶ疲れがあります。 脚も相当ヤバいです。

京都の二の舞になるのは明白だったので、 風呂でじっくり脚をマッサージし、0時過ぎに就寝しました。

明日は8時出発予定、天気予報は一日中「雨」。
もはや、安定の2日目「雨」!

過去の日記を見てみれば、2日目に雨が降らなかったのは、初めて1泊した北近畿めぐりの旅だけじゃありませんか!
その後の、屋久島も一日雨、四国も午後から雨、紀伊半島も一時雨、京都も夜一時雷雨。。。

もう「2日目雨」は、ジンクス化してしまっている様です。

ただ、今回は事前にわかっていたので、覚悟も準備もできています。
雨には雨の味があるので、それなりに楽しみたいと思います。

「奈良吉野 桜華絢爛の旅」【1日目】は、以上となります。
この続きは、【2日目】をご覧下さい。

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